タクシードライバーに必要な深視力とは？

タクシードライバーには欠かせない資格である第二種運転免許。その試験項目の中に「深視力検査」というものがあります。一種免許には存在しない検査ですが、一体どのようなものなのでしょうか。

ここでは、タクシードライバーに必要な深視力について、その特徴やトレーニング方法などを紹介します。

深視力とは

深視力とは、両眼視機能における「遠近感や立体感を判断する能力」のことを指します。普通免許の取得や会社の健康診断で実施される視力検査とは異なり、深視力検査は一般ドライバーにとってあまり馴染みがないかもしれません。しかし、大型免許やお客様を乗せる仕事をする場合には、必須と言える能力です。

動いている物や静止している物を認識したり、どの程度の距離にあるのかを把握する能力のため、交通事故の防止に役立つでしょう。

深視力の検査方法

免許センターにて行われる深視力検査の測定方法は「三桿試験」と呼ばれており、固定された2本の棒と、中央にある1本の棒を使用します。中央の棒が前後に移動するので、固定された2本の棒と同じ位置に来た時にスイッチを押すというものです。これを3度繰り返し、平均誤差が2cm以下であれば合格となります。

この検査には「一窓式」と「二窓式」という方法があり、一窓式の場合は2.5m離れた位置から行いうもので、二窓式の場合は箱の中を覗きながら行うものです。最近では二窓式で行われることが多いでしょう。

加齢や疲労が深視力低下の原因に

最近ではスマホやパソコンを操作する機会も多く、眼精疲労を招きやすい環境となっています。目が疲れている時は深視力が落ちてしまうため、第二種運転免許の受験や更新をする際には、なるべく目を休めておきましょう。そのために、試験や更新の前日には十分な睡眠を取り、当日はなるべくスマホを見ないようにするのが良いです。

また、深視力の低下には加齢も関係しており、老眼が進行すると遠近感を把握しにくくなります。気付かないうちに深視力が低下していることがあるため、過信しないよう注意が必要です。免許更新時などでは、前回の結果と比較して深視力が衰えていないかも意識してみましょう。

深視力を向上させるトレーニング方法

タクシードライバーになるために欠かせない深視力。試験をクリアしないと第二種運転免許を取得できず、希望の職種に就けなくなってしまいます。しかし、深視力は以下のようなトレーニングを行うことで、ある程度鍛えることが可能です。

距離の推測

自宅で簡単にできるトレーニングの1つに、距離の推測があります。身近にある物の距離や長さを推測し、実際にメジャーなどで測定することで正確性を高めるトレーニングです。慣れるまではなかなか難しいですが、繰り返していくうちに距離感がつかめてくるでしょう。

位置関係の推測

こちらも自宅でできるトレーニング方法で、部屋の中にある物を記憶するというものです。クローゼットや時計、本棚や机などの位置を記憶したら目を閉じ、その中から好きな物を1つ選んでください。選んだ物が身体の正面に来たと思ったら目を開け、ピントが合っているかを確かめます。

融像のトレーニング

まず腕を伸ばして人差し指を目の高さに置きます。その指を少しずつ鼻の方へ近付けつつ注視し続け、この動作を数分間繰り返すだけです。慣れてきたら指を1方向にだけでなく、360度自由に動かすことで、さらなる能力アップに繋がります。

融像とは、左右の目に映る映像を1つのものとして認識する機能のことです。2つの目からは角度の異なる映像が情報として入ってくるため、1つの物体でもブレて見えることがあります。融像トレーニングは、1つの物体に焦点を合わせ、ブレの無い1つの物として見る機能の向上が目的です。

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