タクシードライバーにも退職金制度あるの？

もちろんタクシー会社によって異なりますが、結論から述べると「退職金制度を設けていない場合が多い」となります。そのため、「現在勤務している会社には制度がないことがわかったけれど、他の点では満足しているから辞めたくない…」という人は、老後の生活費に退職金を計算に入れることができないことを前提に将来のプランを建てる必要があります。また、現在就職したいタクシー会社を探している人は、退職金制度の有無を会社選びにおけるひとつの要素として、ぜひ参考にしてみてください。

タクシー会社の退職金制度が充実していない理由とは？

退職金がないタクシー会社が多い理由は何でしょうか。理由のひとつは、歩合制を導入している会社が多いことです。つまり「それぞれのタクシードライバーがこなした仕事の量が収入になる」システムになっているからです。

一般的なタクシー会社でもこれが実情ですから、個人タクシーであれば、なおさらです。老後に備えるには、毎月の歩合制の給与を着実に貯金していくことが重要になります。

くりかえしになりますが、退職金制度のあるタクシー会社もゼロではありません。まずは、勤務先の会社や就職したいと考えている会社に制度があるかどうかを確認してみましょう。

タクシードライバーという職業の性質を理解する

タクシードライバーの仕事は、あまり「定年」という概念が強くないのが一般的です。「～歳になって定年を迎えるまであと～年間残っている」などという意識をもちながら働いている人は少ないでしょう。事実、60歳を過ぎてもタクシードライバーを続けている人は珍しくありません。そのため、年金を受給しつつ、タクシードライバーをしているケースも見受けられます。

事実上定年がないともいえるのがタクシードライバー。言い換えると、「安全に運転をすることができる限り続けられる仕事」です。一般のサラリーマンと比べると、長く働ける分多く稼げる、というような前向きな取り組みができるのも大きな魅力です。このような観点から考えると、退職金制度がなくても、それが必ずしも収入において大きなマイナス要素になっているとは言い切れないでしょう。

タクシードライバーの退職金の目安

退職金制度を導入しているかどうかについては、それぞれのタクシー会社によって異なることは先述のとおりです。では、退職金制度を導入している会社では、どのくらいの金額が支給されるのでしょうか。

金額も会社により異なることが前提にはなりますが、支給される金額は、「これで老後は心配なし」といえるほどの金額ではないことが多いので、あまり期待しないほうがよいでしょう。過度に期待しすぎると、あてが外れ将来のプランもくずれてしまいます。退職金をあまり計算に入れずに、可能な限り長く勤め、貯金額を増やしていくほうが賢明だといえます。

タクシードライバーの退職金の金額の目安を知るのは、なかなか困難です。エリアによっても差がありますし、また、タクシー会社が中小企業退職金の共済へ加入しているかどうかによっても左右されるでしょう。どうしても気になるようであれば、直接会社に問い合わせてみたり該当エリアの退職金の相場を調べてみたりしておくのもひとつの方法です。

退職金制度のしくみ

一般の企業であれば、勤務を続けた年数に応じた額の退職金を受け取るシステムになっているケースが多いです。タクシー会社の場合、歩合制が全面的に、あるいは部分的に導入された給与形態になっていることが多いため、退職金の金額を算出する方法もさまざまです。

積立金に応じた金額の退職金を支給するシステムを採用しているタクシー会社も少なくないようです。積立式であれば、勤続年数をベースとしているため、長く勤めた人の退職金の金額が多くなる仕組みになっています。

後で困らないためのタクシー会社選び

タクシードライバーになることを検討しているのであれば、退職金の有無や想定される退職金の支給額をひとつの軸として、自分に合った働き方を考えるのもひとつの方法です。

退職金がないタクシー会社であっても、勤務時間や日数などを調整できるシステムであれば、60歳以降も働き続けやすいでしょう。長く働ける分収入が途切れないのがメリットです。ですが、老後は仕事をやめてゆっくり過ごしたい、という希望を持っているのであれば、退職金を受け取れると考えられる会社を、慎重に検討するのがおすすめです。

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